リジッドシリーズ開発ストーリー

リジッドシリーズ
開発ストーリー


開発当初

 私は40年来、音楽とオーディオの虜となってきました。それゆえに自分で何かオーディオの為になるもの、貢献できるものを作りたい、という思いで開発に着手いたしました。実際にはかなり以前にも一度、楽器の木材等の色々な材料でアナログプレーヤー用のテーブルを試作したことがあります。その時の設計コンセプトは、

  • 本体の固有振動を音に有害な低い共振点から離す。(=高い共振点=軽量化)
  • 床振動の遮断とガタのない設置のために高さ調整のできるスパイク脚を持つ。
  • 必要の範囲内で最小限のサイズとする。
  • 本体には出来るだけ非磁性体の素材を使用する。

 ただし、この試作品は残念ながら、どれも満足のいくものではありませんでした。重くて「しっかり」としたラックは物量を投じれば簡単に作れますが、軽量で「しっかり」としたラックを作ることは大変難しいことだったからです。


再思考

 もう一度、自分なりに理想のラック、プレーヤー台を思考するにあたり、これまでの経験と反省を踏まえて得た結論は、以前の試作品がいずれも軽量化によって構成素材、特にフレームのコーナー部分が決定的に強度不足であった、ということです。そのためリジッドテーブルシリーズでは、初期の設計コンセプトを踏襲しながらもこの反省点に留意し、下記の様な仕様といたしました。

  • コーナーのジョイント部は強度を揺るぎないとするため、高密度のアルミダイキャストを金型から起こす。その上で組み立て時の接着強度も確保できる形状へ精密な旋盤加工を施す。
  • チタン製(またはアルミ合金製)のパイプ両端も、上記コーナージョイント部と同様に接着強度を高める精密切削を施す。
  • 接着には高性能な構造用接着剤を使用する。(3M™ Scotch-Weld™ StructuralGlueDP-460を採用)


研究と試行錯誤

 商品化するにあたっては、本当の意味で硬度が高すぎても様々な問題を発生します。金属フレームと木製ボードは温度・湿度の変化による膨張・収縮の差が大きく、これにどのような対策をするか、同時に過酷な取り扱いや大きな衝撃への耐久性をいかに備えるか等、相反する要求を同時に満足させる最良の作りを決めることは非常に難しいのです。

 また軽量化・高剛性化に伴う金属的な共鳴をいかに抑えるかという点も、非常に難しい課題でした。金属フレーム製と聞いただけで硬い音、音がキンキンする、金属的な色付けがするのではないかと思われてもやむを得ません。これは決して先入観ではなく、通常は充分にあり得ることだからです。普通ならばずっと尾を引くように共鳴し続けてしまう金属フレームをいかに静かに、あえて言いますと抑制の効いた非常に強度の高い木工品のようなものに出来るか?開発を進めれば進めるほどに、難門がいくつも立ちはだかりました。


完成・発表

 当初の構想から20数年、ようやく完成したテーブルは「リジッドテーブル」、多段ラックは「リジッドタワー」と命名されました。それは非常に軽量に仕上げられたにもかかわらず、極めて「頑強で安定性の高いテーブル・ラック」として完成したからです。

 再生音にマイナスとなる機能は出来るだけ排除して音質を追求した結果、一般的なラックのような安易な便利さ、普及性、流通性など、商業的な観点からつくられるものとは大きく異なる製品となりました。そして音の良いラックとして多くの方に高い評価をいただきました。

 完成したリジッドシリーズに詳細をご存じでない方が触られますと、金属製フレームと気付かないほど響きの少ない、静かなラックです。リジッドシリーズの価値をご理解いただくには何よりも一度、お試しいただくことです。色々な製品、例えばアナログプレーヤー、CD、DVD、BDプレーヤー、DA、プリ、パワーまた真空管アンプ等でもぜひお試しください。当社での開発においてもまずCDプレーヤーでテストし、その後にアナログプレーヤーで再確認することは度々ありました。


最後に

 音質のみを追求した世界に類のないオーディオラック、それがアンダンテラルゴのリジッドシリーズです。すでに優れたハイファイ装置、ビジュアル機器を導入されている方々、これから本格的にハイエンドの再生機器を揃えていく方々に、是非お試しいただきたいテーブル・ラックです。